中根さんは相変わらず、爽やかなスマイルを浮かべて柏木さんのデスクに来る。 「……何っすか、中根さん」 ダルそうに椅子にもたれかかり、ぐるっと回って中根さんを見る。 いつも通りの柏木さんだ。 「柏木。お前、相変わらずふざけてるな」 「中根さんほどじゃねぇっすよ」 いつも通り。 なんら変わりがない。 柏木さんと中根さんも、特にあたしを気にする素振りもないし。 ……だから、本当に夢だと思った。 柏木さんのことを考えすぎて、変な夢を見たんだ。 そう、安心した時だった……