「あの、シャワーありがとうございました…」


部屋に戻ったあたしは、ペコッと頭を下げる。


「あぁ、まぁ座れや」


座れって言われても、どこに…


って思ったけど、2人掛けのソファに座ってる、ベージュ系の髪色の男の子が隣を指差して微笑んだ。


あたしは遠慮がちにそこに座った。


「ねぇ君、名前は?」


隣の可愛らしい男の子が聞いてきた。


あたしは今、か弱い女の子を演じてる。


だから、


「普通、人に名前を聞く時は自分から名乗るのが礼儀ってものでしょ?」


なんて、強気な言葉は言えないから、大人しく教える。


「梶田(カジタ)…希です」


梶田希、あたしが任務の時に使ってる偽名。