「ノラだけだよ……」


あたしには、ノラがいた。


同じ孤独を分けあったあたし達だからこそ、お互いの寂しさに気づけるんだろう。


ノラまでいなくなったらって考えると、すごく怖い。
あたしには、もうノラしかいないから。


ずっと傍にいてね、ノラ…。
ノラが望む間は、ここにいくらでもいて良いから。


どうか、あたしを嫌いにならないでね。



「おやすみ……」


あたしは、ノラを抱き締めて目を閉じた。


明日は、ノラと何をしようか。
縁側でお昼寝もいいなと思う。


そんな事を考えながら、いつの間にか、深い眠りへと落ちていった。