「あたしは……どうすれば良かったの」


もっと、おばあちゃんと話すべきだった?
もっと、良い子だったら、皆いなくならなかった?


分からない、何もかも…。



葬儀を終えて、あたしは一人家に帰ってきた。
今までは、おばあちゃんと過ごした場所なのに、今はあたししかいない。


ザーッ……。


雨が降ってきた。
門へと近づくと、門のすぐ傍に雨に濡れた段ボールを見つけた。


「これは……」


何だろうと段ボールを開ける。


「ニャア……」


すると、段ボールから現れたのは、小さな三毛猫だった。弱々しく鳴いて、あたしを見上げている。



「あなたは……捨てられたの?」


聞くまでもないけど、たぶんこの子は捨てられた。
だとして、あたしに何が出来るの。



「あたしと来ても、君が不幸になるよ」


だから、他を当たった方がいい。
そうに決まってる。



あたしは立ち上がり、そこから離れようとする。


「ニャア……」


でも、その声を聞いたら、足が地面に縫い付けられたかのように動かなかった。



振り返るえると、段ボールから顔を出して、あたしを見つめている。