チュンチュン。

「…」

チュンチュン。

「…」

チュン…

「うるさいいいいいいいいいい!!!」

部屋中に私の怒鳴り声が鳴り響いた。

それまで小鳥のさえずりしか聞こえなかっ
た静かな空間がいつもの朝を迎えようとしていた。

やや乱暴にシーツを剥がしベッドから立ち上がる。

ガシガシと寝癖が酷い頭をかく姿は華の女子高生とは程遠い。

私--。春乃 唯 (ハルノ ユイ)は華の高校二年生。低血圧で朝はちょっっっと機嫌が悪いごく普通の女の子である。

クローゼットから制服をとりだし早足で着替える。時刻は7,30分。走って行かないと遅刻決定だ。だがこれも毎朝の事なのだ。