「秋奈、泣くなよ。俺はやめないからさ」

「…ノンタン」

「秋奈が俺を引っ張り上げてくれた。秋奈がいる限り、ここを出て行くつもりはないから」

「俺も、残ってやるから心配すんな。初期からいた奴らはもともと金目当てじゃねぇんだ。心配いらねぇよ」

 ノンタンとトーマスは笑って、残ると宣言してくれる。

 その顔は優しくて、厳ついトーマスには全然似合わない。

「あきなっち~!」

「お疲れ様!やだ、泣いてんの?尾木の奴、許さん!!」

 どこからともなくやって来たひまっちとさーちゃん。ぎゅっと抱きしめられる。

「2人は、志季やめる?」

「…はぁ?何言ってくれてんのこの子は!」

「やめるわけないでしょ!?追い出そうとしても無駄なんだから!」

 2人の力強い言葉に抱き着き返す。

 志季のことを大事に思ってくれてる子がいる。それが嬉しかった。

 今日は解散って言ったのに、4人は最後まで店には入らないけど掃除や見回りはしていてくれて、いい子たちを見つけたなってお父さんに褒められた。

 だけど、本番は土曜日で、それまでの4日間は8人だけで志季の活動をした。