トン、トン

『失礼します。
 転入生の林田歌恋です。よろしくお 願いします。』

月岡学園高等部の職員室、夏。

「おはようございます。
 担任の関根です。」

優しそうなおじさん先生だ。

『よろしくです。』

「クラスは、2―Aでクラスメイトは林田さん入れて6人です。
教室に行く前に生徒会室に寄って挨拶してきて下さい。
これ、構内案内図です。では、また後で。」

生徒会に挨拶?なんで。

『失礼しました。』

生徒会室は・・・4階。今は2階。

「君、可愛いねー。今からどっか行かない?っていうか、初めて見る顔だね。」

『触らないでください。』

「いやー、声も可愛いね!」

腕を掴まれて動けない。もーイライラする。

『放せって言ってるの分かんないの?』

「は、お前可愛いからって調子のってんなよっ!」