私は、エレベーターで恋に落ちる

「本当に、大丈夫か?おい、大丈夫じゃないだろう……」
彼の大きな手が、私の頭を包んで隠してくれた。

「こうすれば、見えないから。存分に泣け」
どうしたんだろう。

どうしたのよ。

反則だ。今日に限ってこんなに優しいだなんて。

今日に限ってこんなに優しい言葉をかけてくれるなんて。


「私、ルナに取られたから悲しわけじゃありませんって」

「わかってるって」
しーっと、子供をあやすように頭を撫で、時々頭のてっぺんにキスをしてくれる。

「だから、悲しいわけじゃないって、言ってるじゃないですか!」

子供みたいに扱われたくない。とっさにそう思った。

彼の大きな手と、広い胸に包まれて、小さな女の子みたいにあやされるのは、なぜか気に入らなかった。

「分かってるって」
彼は、私に構わずによしよしとさらに、子ども扱いする。