私は、エレベーターで恋に落ちる



「俺のせいか?」
とぼけて、肩をすくめて見せる。

「あなたのせいです!半分は」

「まあ、そうだな」
彼は、その場に屈んで、机から床に落ちた資料を渡してくれた。


「もう、帰っていただいて結構ですよ」

受け取った資料が、まるで違うファイルから抜き取られてると気付いて、愕然とする。

ああ、ルナに文句言うより自分で片づけた方がストレスが少ない!

そう自分に言い聞かせる。


「ダメだ。まだやる事がある」
あまりの剣幕に、伊村さんも、強く言わなくなった。

「夕方にしてください」
私には、そんな気力も残っていない。


「もう一度ここに来るのは、面倒だ。だから来いよ」
彼は、大真面目に言う。


「来い?私は、あなたの何ですか?」

「一緒に仕事にしてる仲間。それとも、もっと、どうにかなりたいのか?」

「どうにもなりたくありません」