私は、エレベーターで恋に落ちる



「機嫌悪そうだな」

どういう訳か私の機嫌が悪いと、彼は、嬉しそうにしている。

私は、彼を押しのけて席に着く。

「自分の仕事がなくなるかもしれないのよ。機嫌が悪いのも分かるでしょう?」

無造作にデスクに置かれたファイルの山を見て、余計に憤りを感じる。

伊村さんが、さらに嬉しそうに声を大きくしていった。

「誰がやっても同じようにできる仕事しかしてないから、奪われるんだろう?」

もう、限界だ。

「これの、どこが同じだっていうのよ!!」
ぐちゃぐちゃになった書類。
戻すだけでかなり時間がかかる。

ルナに何度出したら戻せって言っても分かってくれない。


「あのねえ、あの時あなたに関わっていなければ、こんなことになんかなってないんですけど」

何て、ふてぶてしいやつだ。

みんな、あんたのように仕事が出来たら、苦労しない。