私は、エレベーターで恋に落ちる


「遅くなってすみません。打ち合わせに入りましょう」
林田さんの声が聞こえた。

私が、会議室にいる林田さんのところへ行こうとしたら、どこからともなくルナがやって来た。

ニヤニヤして、よからぬことを考えてる様子。

「あのイケメンさん、誰ですか?」
内緒話するみたいに小さな声で言う。

「イケメン?林田さんの事?」
ルナと背は釣り合ってる。

でも、林田さんの顔は、のっぺりして平坦で、ルナのタイプではない。
それに、あれをイケメンに入れると、世の中の男の半分はイケメンになっちゃう。

「違いますよ。そんなわけないじゃないですか。あそこでタブレット端末いじってる。デザイナーズブランドのスーツ着てる方ですよ」
ルナに向きを変えられた。


「あれが?イケメンか」
私が思うイケメンは、言うこと聞かないからって、キスして黙らせたりしないんだけど。

「なに言ってるんですか。あれは、極上品です。しかもお金持ちだし」

お金持ち?
どこで見分けるの?

「いいスーツ着てるだけで、お金持ちだって言えるの?」
ルナに聞いてみる。

「先輩は、いったい男のどこを見てるんですか?あのイケメンさん、靴から腕時計まで高級品ばかりですよ」

「ふ~ん。たまたま今日はそういう格好してるだけだって」

弁護士に言われたみたいだから。