「遅くなってすみません。打ち合わせに入りましょう」
林田さんの声が聞こえた。
私が、会議室にいる林田さんのところへ行こうとしたら、どこからともなくルナがやって来た。
ニヤニヤして、よからぬことを考えてる様子。
「あのイケメンさん、誰ですか?」
内緒話するみたいに小さな声で言う。
「イケメン?林田さんの事?」
ルナと背は釣り合ってる。
でも、林田さんの顔は、のっぺりして平坦で、ルナのタイプではない。
それに、あれをイケメンに入れると、世の中の男の半分はイケメンになっちゃう。
「違いますよ。そんなわけないじゃないですか。あそこでタブレット端末いじってる。デザイナーズブランドのスーツ着てる方ですよ」
ルナに向きを変えられた。
「あれが?イケメンか」
私が思うイケメンは、言うこと聞かないからって、キスして黙らせたりしないんだけど。
「なに言ってるんですか。あれは、極上品です。しかもお金持ちだし」
お金持ち?
どこで見分けるの?
「いいスーツ着てるだけで、お金持ちだって言えるの?」
ルナに聞いてみる。
「先輩は、いったい男のどこを見てるんですか?あのイケメンさん、靴から腕時計まで高級品ばかりですよ」
「ふ~ん。たまたま今日はそういう格好してるだけだって」
弁護士に言われたみたいだから。


