私は、エレベーターで恋に落ちる

「どうにかならないかなあ」

私は、このエレベーターで待ちぼうけを食らう度にこうして考える。

「無理じゃない?だって、エレベーター増やすわけにいかないし」

同じ職場の大場美穂が言う。

「そうだよね」

本当に、そうだろうか。

考えたら、何かいい方法があるのではないか?


そこで私は、あることに気が付いた。

オフィスに向かうエレベーターは、三カ所に分かれていて別になっている。

1つは11階までしか行かないから、論外だ。

26階に行くには、なにもミッドフロア用のエレベータに乗らなくても、行けるのではないか?

アッパーフロアに通じるエレベータなら、いつも空いている。

空いているならば、それに乗ればいいではないか。