「何しやがる!この女」
彼は、私を押さえつけるのに、遠慮なく力を発揮したみたいだ。
二の腕を壁に固定され、振り上げようとした足まで、彼のしっかり、筋肉のついた太腿に押さえつけられてる。
びくともしない。
彼の体が私の体にぴったりくっついてる。
どうにかできる?無理。
彼は、一ミリだって腕を緩めてくれる気配もない。
おまけに。ああ、何てことしたの?
さっきより険悪で凶暴になっている。
壁に激突させられて、頭に来たのか、彼は、私の体を押さえつけるだけでもあき足らず、頭突きでもしそうな勢いで、顔を近づけて睨んでる。
私は、すごい形相で睨んでいる男に、
両手を拘束され、腰までぴったり密着して壁に押し付けられている。
彼の口から、悪態をつく声と吐き出した息が顔にかかる。
どうしようと思ってるの?
別の場所ならわからないけど、ここってオフィスだし。
乱暴なマネしないよね?
私なんてことしたんだろう。
こうして締め上げられて男の体を押し付けられて、気が付いた。
こんなしっかり筋肉のついた男から、
走って逃げようと思ったことが、どんなに無謀なのかって。


