私は、エレベーターで恋に落ちる


「えっと、あの。私、あなたと一緒になんか、行けません」
だって、怖いよ。

「なに、ふざけたこと言ってるの?早く、歩いて。オフィスまで行くから」

怖すぎる。
ついて行ったら、何されるのか分からない。

私は、歩きかけて、また立ち止まる。

やっぱり怖い。
行きたくない。

彼は、私の顔をのぞき込むと冷たく言う。

「あのねえ、君に拒否権なんかないんだよ。なんなら、すぐに警備会社呼ぼうか?」

「どうして、警備員さんなんか呼ぶんですか?」

「それ相応のことしたからだろう。行くぞ」
彼は、無理やり私の手首をつかんだ。

本当のこと言うと、この人が私のことをじっと見ていたのは、私に関心があるからじゃないかってうぬぼれていた。

顔から火が出るほど恥ずかしい。

この人は、私が犯罪人か何かだと思ってるんだ。

犯罪人?

何で私捕まってるの?

冗談じゃない!

ちょっとズルをしたかもしれないけど、私は何も悪いことはしていない。