私は、エレベーターで恋に落ちる

「見てたの?」

「声は聞こえないけどな」

「伊村さん……」
何でもお見通しなのはわかったから。

あなたが私のこと、なんて思ってるのか教えて。

彼が、笑って抱きしめていた腕を緩める。

そして。こめかみに軽くキスをする。

「もう、観念しろよ。逃げても無駄だ。どこに行っても見つけてやる。君は誰にもやらない」

「お願い……」

キスで口を塞がれる。

彼は、器用に私から言葉を奪いながら、体のいたるところにキスをする。



「いい加減に分かれって。今からたくさん愛してやるから」



【完】