「お願い、ちょっと待って。今のキスは、どういう意味なの?」
「キスなんかに意味はない」
そういうと、再びキスで口をふさぐ伊村さん。
この人は、駆け引きなんか全然なくて、ストレートに感情を表してくる。
でも、キスしたい。
抱きたいって言われても、ハイそうですかなんて言えない。
力いっぱい抵抗して彼から逃れる。
「意味はないって、どういう意味よ!」
「キスは、したいからする。それ以上の意味なんか必要ない」
それは、正論だけど。
ちょっと、その通りだって、納得してる場合じゃない。
OK、ちょっと待って、考えよう。
キスしたいだけの男って、何なのよ。
そんなやつにつかまって、飽きられたら捨てられるだけじゃないの。
やっぱりダメ。
こんな男。
いくら、格好よくて情熱的なキスをしてきても。
溺れちゃダメ。
「キ、キスしてどうしたいのよ」
「俺にもわからん。君を見てると、なぜかもやっとして、追いかけて捕まえたくなる」
「捕まえる?捕まえてどうするのよ」
「俺のものにする」
ものにする?


