「大丈夫か?」
何?
誰かが私の体を揺すってる。
誰かが、私の頬を叩く。
誰?
天国へのお迎えは、もっと優しくしてくれるはずなのに。
「起きろって!!」
うるさいなあ。
「お前、バカか!」
ちょっと、バカはないでしょう?
迎えに来てくれたのって……
どうしよう。
とうとう幻覚が見えるようになった。
天国って、生きてる人も迎えに来てくれるのかなあ。
パッチーンって音とともに、ほっぺたに痛みが走った。
「痛っ……」
「生きてんのか?」
「伊村さん、早く病院に連れて行きましょう」
「ああ」
「僕が荷物持ちますから、伊村さん彼女を抱えられますか?」
「くそ、ここ圏外じゃないか」
「当たり前です。ビルの上に何てアンテナ立てませんから」
「冷てえ。いつからこんなとこいたんだ」


