私は、エレベーターで恋に落ちる



「大丈夫か?」

何?

誰かが私の体を揺すってる。

誰かが、私の頬を叩く。

誰?

天国へのお迎えは、もっと優しくしてくれるはずなのに。


「起きろって!!」

うるさいなあ。

「お前、バカか!」

ちょっと、バカはないでしょう?

迎えに来てくれたのって……


どうしよう。
とうとう幻覚が見えるようになった。

天国って、生きてる人も迎えに来てくれるのかなあ。

パッチーンって音とともに、ほっぺたに痛みが走った。

「痛っ……」

「生きてんのか?」



「伊村さん、早く病院に連れて行きましょう」

「ああ」

「僕が荷物持ちますから、伊村さん彼女を抱えられますか?」

「くそ、ここ圏外じゃないか」


「当たり前です。ビルの上に何てアンテナ立てませんから」

「冷てえ。いつからこんなとこいたんだ」