私は、エレベーターで恋に落ちる

諦めず、携帯の電波が通じないかと上に上げたり、下に向けたり、いろいろ試してみたけれど、アンテナが立つ気配もない。


バッグの中を探して見て、手袋とマフラーを見つけた。

それをつけても、寒さをしのぐことはできない。

気休めだけど、ないよりはいい。

向こうの出口には、自販機もあった。

せめて温かい飲み物でもあれば、手のしびれがなくなるかもしれないのに。



それに、こんな時だけど。お腹空いた。

せめて食事だけでも、すればよかった。


誰か、私のことなんか思い出さないだろうな。

翌朝になって、凍え死にそうになって発見されるのかな。


死にそうじゃなくて、本当に死ぬかも。

だって、停電でもないし、エレベーターの故障でもないし。

両親は一緒に住んでいないし。

いったい、誰が気付いてくれるのよ!!