私は、エレベーターで恋に落ちる

「戸田さん、悪いけどあの契約は本当に偶然で、もう一度取れって言われても、無理なんです。それに……」

「それに?」

「戸田さん、ルナととってもお似合いでしたよ。せっかくですから。彼女を大事にしてあげてください」

「篠原さん……」


あんなに憧れてた人だったのに、私は、彼の表面だけしか見ていなかったんだ。

「私なんかを頼っても、問題は何も解決しないと思います。戸田さんも、人を頼らずに自分で何とかしてください」

「俺のこと見捨てるの?」

「見捨てるもなにも、なるようにしかならないでしょ?自分の頭で考えてよ!」

料理を食べないで席を立ってしまった。

もう、こうなったら、同じテーブルにだってつきたくない。

私は、戸田さんを置いて、混雑する店から出てきてしまった。