私は、エレベーターで恋に落ちる

まるで別世界だっていうのは、よく分かったって。

料理もすごくおいしい。
これと比べられるような料理だって、食べたことないし。

「ほら、言った通りだろ?」
得意げに自慢する伊村さん。


「言った通りって、何だっけ?」


「美味しい料理を目の前にしたら、無視することなんてできないってこと」
私は、ポカンと口を開けた。

「そうだった。忘れてた。だって本当に美味しかったんだもの」

「それは良かった。その、可愛いお腹に収まった分だけでも、間違いなく目ん玉が飛び出てるからね」

可愛い?うそ。そんなこと思ってないくせに。

「追加した料理に、ワインまで。本当に大丈夫ですか?」

散々食べておいてなんですが。

「おかげさまで、ここで食事できるくらいは、稼いでますからね。財布の中身より、コレステロール値を心配した方がよさそうだ。こういう店で食べると、カロリーは凄そうだからね」

「たまになら、問題ないでしょう?」

「たまにか……」
って考え込んでる、伊村さん。
店に来るのは、どのくらいの割合ですか?