「いい、言わなくて」
「この階の厳重さは、下の階の比じゃない。プライベートを守りたいから、セキュリティーにお金をかけるんだ」彼は、いつも持っているタブレット端末ではなく、携帯電話に何か文字を打ち込んでいる。
カーペット、ふっかふかだった。
授賞式みたいなやつ。
ちらっとだけ、別世界が見ることが出来た。
ちょっとだけ、降りて歩いてみたかったけど。
「もっと見たかったな」
伊村さんが、本気でやめろと言ってきた。
「冗談じゃないぞ。下の階でいたずらするのと訳が違うからな。絶対にこのことも友達とかに口外するな。何かあったら大変だ。わかったな?」
「すごいな。是非行ってみたい」
「おい、俺のカードは当てにするなよ。点検や検証するために、どの階にも止まれることになってる。今度、自分に権限がないのに、余計なことしたらどうなるか分からんからな」
「スゴイね。どこでも行き放題なんて」


