2人とも、すっかりマーヤに懐柔されているのが可笑しくて笑っていると。

「星ちゃんは?」
と聞かれて、
「俺も伊織と同じかな。」
と、ソファーに座り込むと。

「はぁい。」
と、台所に戻っていった。

「あいかわらず料理も完璧。ツンデレで可愛いし、絶対に誰にも渡せないな。」
伊織がスーツを脱ぎネクタイをゆるめながら言う。

「余計な色気ふりまかないでよ、伊織さん‼」
慎哉がまた吠えていると。

「はい慎ちゃん。いっぱい食べてね?」
マーヤがご飯と豚汁を渡すと、目尻を目いっぱい下げて笑っている。

充分慎哉もツンデレだよね(笑)

俺と伊織の前にも豚汁を置くと。

「伊織さん、スーツ預かりますね。星ちゃんのスエット借りなくていいの?」
そのセリフには、『どうせ酔い潰れて泊まってくんじゃないの?』というトゲトゲしい意味合いがあるのを知っている。

「そうだな、着替えてこようかな。星哉貸してよ。」
ニヤリと笑う伊織を見逃さなかった。

あ~あ、マーヤ、ご愁傷さま。

俺は、これから起こるであろう出来事を思い浮かべて、軽くため息をついた。