昨日までは学園祭の準備に追われていたけれど、今日からは中間テストの勉強をしなくちゃいけない。

いつも学年10位以内に名前を残してきたあたしは、今回も気を抜かず、休み時間も教科書を広げている。

「で、タンカをきって帰ってきたわけ?」

前の席に腰掛けて、あたしの机でひじをつくのは直子。

教科書から目を離さずに、あたしは「うん」と答えた。

「何か可笑しい?」

深いため息をついて何も言ってこない直子に目を向けて、あたしは首をかしげる。

「いや、執念深いなぁって思って。でもさぁ、復讐するも何も、もう深町には正体がばれてるんでしょ? 向こうも警戒してるだろうし、どうやるつもり?」