そんな緒先といつの間にか付き合うようになった俺。 浮かれてた。 秘密にしとかなきゃ、あとあとメンドクサイのに。 「おい。笑いすぎ」 わかってたのに、つい、階段でコロコロ笑う緒先を見てたら、また抱き締めたくなった。 細いのに柔らかな感触。 これ、病みつきになりそうだ。 この俺の軽率な行動が、緒先をあんな危ない目に合わせてしまうなんて……。 良く考えたらわかるはずなのに、 やっぱり、俺は浮かれてたんだ。 他人の気持ちが分からないのは、俺の方だった。