「彩音さーん!」
「彩音―!」
「みんな、おはよう」
と笑顔を見せる私の心中は、そりゃ穏やかじゃなかった。
「(ちょっと! 今わたしのこと呼び捨てにしたでしょ!?
誰だよ、私はアイドルじゃないっての!)」
ふと、師匠は大丈夫かな?と周りを見渡す。すると、遠くの方にポツンと立っているのが見えた。
ファンの一人が、私のことを書いたプラカードを持っていたので思わず読んでいたらしかった師匠。
だけど、その後がすごかった。
まるで弾かれたように体に力を入れ、
「どけ!」
と人ごみの中をかき分けて行く。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…