「つーか、あんな人だかりのある所で、かってー木で出来たプラカードなんてあぶねーだろ。考えろよな」


ボソッと言うと、そばにいた女子は「本当にね~」とこの場を去って行った。

客観的に見ると、女子はあいつに同情の視線を送り、男子は熱の籠った視線を送っている。


「……」


そんな、言ってみれば好奇の目に晒されながらも、ニコニコ笑っている、あいつ――


「くそ!」


そんな面白くなさそうな顔、してんじゃねーよ。
 



saiga side end