ひかりちゃんの場合――
「え……わ、私に、ですか……っ」
「うん、良かったら貰ってくれる?」
「あ……ありがとうございます……っ」
「青山くんにはいつもお世話になってるし、それに……
才賀くんも、部活でお世話になってるみたいだし」
「……」
グッと、少し動いて固まったひかりちゃんを私は見逃さなかった。
だけど、私に宣戦布告してきた彼女。
それだけあって、ニコッと笑って(たどたどしくではあるけど)私にこう言ってきた。
「彼……幽霊部員なので、彩音ちゃんにここまでしてもらわなくても、大丈夫、です……っ」
「あ……そうよね」
そりゃ、ひかりちゃんは私と才賀が同居しているのを知らないわけだし、他人の私がしゃしゃり出てるなって感じだよね。
嫌味を嫌味で返してくるあたり、やっぱりこの子は侮れないわね……。
「あ、あそこに才賀くんがいるわ」
「! すみません、用事を思い出したので、これで……っ」
あっという間にいなくなったひかりちゃんを見て、あることを思った。
「青山くん、あの子、全然消極的なんかじゃないわよ……。
あーゆー子とは四角関係なんかじゃなくて、ぜひともお友達になりたいわね」
呆然と見つめるその先には、才賀とひかりちゃんが仲良く話している姿が見えていた。



