「……」 俺の手がピタッと止まる。 そしてそんな俺を、東条は椅子に座ったまま見ていた。 「青山の話じゃ、俺はもうお前のことを好きなんだろ? そこは信じないのかよ」 「好きが芽生えるのと、自覚するのじゃ違うのよ。私が良い例」 「じゃああれか? 俺はまだ自覚してないだけで、今はもう既にお前のこと好きになってんのか?」 「たぶん、そう」 「ふーん」 止めていた手を、再開する。 そして、考えていた頭を停止させた。