「~ごめん、私、帰るね!」


鞄を持って、急いでその場を離れる。

青山くんは「え、彩音ちゃん!」と声を掛けてくれるけど、でもごめん! 今は、青山くんの目を見て話すことが出来ない。


「(ごめんね、青山くん、ごめん!)」


教室を出る。

そして、階段を降りようとした、その時だった――


ヌッと急に出て来た人影に、思わずぶつかりそうになる。