「なんか、こんなにゴチャゴチャしてたかしら?」 教室の違和感に東条も気づいていたらしく、室内を見渡してしきりに首を捻っている。 「(いつもの東条だよな……?)」 美術室に来るまでの間、東条の様子が何か変だった。 変と言うのが、暗いような、沈んでいるような――あいつの周りだけ梅雨みたいな雰囲気だった。 だけど、今はいつも通りの東条だ。 本当に絵を描くのが好きなのかはおいといて、物珍しい雰囲気に圧倒されているのかもしれない。