「ん?」

「どうした」


なんか、今、アキナちゃんが……と振り返っても、もうアキナちゃんは教室に入ったみたいでいなかった。


「聞き間違い、ね」


そうして私たちは、冷や汗が乾ききらない状態のまま、一日ぶりの教室に足を踏み入れる。


一限目から小テストがあったけど、私も才賀もさっきの出来事で脳を使い切ってしまって、名前を書き忘れるミスをしてしまった。


そのことは青山くんに放課後まで、「伝説」として語り継がれることとなる……。