まぁ、こんなことで先生を侮辱したことにはならないだろうし、本当のことを言ったまでだし――スッキリした。 「それでは」 「え……えぇ」 意表を突かれたような顔をしている有森先生は、思ったよりも素直な反応を見せる。 持っていたハンカチは今は口元に添えられている。その布の下で、悔しさで歯を噛みしめてたりして? 「ま、いっか」 牽制はした。 もし今度の演奏会で東条が呼ばれなかったら、その時は正直に謝るか。