「ここから一番近いのは……あ、吹奏楽か……。 ねぇ、ちょっとだけ顔出してきてもいい? 挨拶だけ!」 東条の申し出に俺も青山も了承し、いくつもの楽器の音色が漏れる音楽室のドアをノックした。 すると、ドアの小窓から、一人の教師が近づいてくるのが見える。若い、けどしっかりしてそうな雰囲気だ。 ガラッ 「あら! 東条さんじゃない~!」 「有森先生、こんにちは」 膝より長いベージュのスカートを履いた有森先生――この人がどうやら吹奏楽部の顧問らしい。