saiga side




晩御飯が終わり、いつものように洗い物を東条にやらせて、各々夜の時間を過ごす。


部屋で今日出た宿題をしていると、コンコンッと軽快なノック音が聞こえた。


「は、」


ガチャ


「まだ返事してねぇ」

「あら、ごめんなさい」


昨日よりは髪を濡らしてない東条が、ドアの隙間からひょっこりと顔を覗かせる。


「お風呂どうぞ」

「あぁ……ってか、音でわかるからいちいち報告しなくていいぞ」


そう言うと東条は少しふくれっ面をした。どうやら、なにか不満らしい。