「ふーん」という師匠は、肉じゃがに手をつけた。 あんまり味付けに自信がなかったのかな? 恐る恐る食べて、口に入れた瞬間、安心したように目を閉じた。 「師匠、大丈夫だよ」 「なにがだよ?」 「ちゃんと、ぜーんぶ、とっても美味しいから!」 箸を握ったり緩めたりして、カチャカチャ鳴らす。 「……当り前だっての。行儀悪いから音鳴らすな」 師匠は一瞬目を開いたけど、その後はいつも通り、美しい箸遣いでおかずを食べ進めていく。