「師匠、なんか私……ドキドキします」


さっきのお弁当の時とは違う、この温かい気持ちは何だろう?

嬉しくて、ジンときて、思わず顔がほころぶ。


「本当師匠って、優しいんだなぁ」


自分の熱い顔を冷やしながら、その場を後にする。

温かいお弁当を手に持って、時折その良い匂いを嗅ぎながら歩くその時の気分は、ひどく嬉しいもので……


「へへへ~」


リズム感のない変なスキップなんかしたりして、教室を目指す。

その時の私は現金なもので、さっきご飯を食べたばかりなのに、早くお昼にならないかな~なんて思っていた。