『それ…俺が買ってやるよ。』 え──── 立ち止まり後ろを振り返る。 ……。 中林? あの声は間違いなく─── ………。 そんなわけないか。 私のことは諦めたんだし。 それにこんなとこで会うわけない。 「賀菜?」 「あ…いや。ちょっと待っててね。」 ……何考えてんだろ。 あんな奴のこと考えるなんて。 「よし。次どこ行く?」 もう買い物終わっちゃった。 「どこか……行く?」 「じゃあ下でジュースでも?」 「いいよ!行こっ!」 服の入った紙袋を揺らしながら下に降りていった。