「何?」 

「賀菜…刺されそうになったのを僚太が助けたんだよね。僚太から聞いた。」



いちいち言わなくてもいいのに…。



「何が…あったの?あの日。それもあの友哉くんのことが関係あるの?」


……やっぱ秋穂はするどいな。

隠し事なんてできない。

本当は誰にも言うつもりがなかったんだけどな。


「誰にも……言わないでね。実は──ー」


私は友哉との出来事。

それからのこと。

全部…全部。


「そうだったんだ………。辛かったよね。」


本当に…そう思ってる?


「でもね。賀菜。もう自分のせいだって考えるのはやめようよ。苦しいだけだよ。」


それができたら……最初からやってる。


……わかってる。

なにも知らない人なんてそんなことしか言えないことくらい。


「約束。」

目の前に右の小指を前に出される。


「うん。」


でも…変わらなきゃだめ。

そう思ったから…秋穂との約束を受けたんだ。