「じゃあ、今度はお婆ちゃんね。うーん、そうね。病院とかかしら。」
「え?病院?」
「病院って病気を治すところでもあるけど、人の心を癒す場所でもあるんだよ。お婆ちゃんだって、病気はもう治らないけど、心を癒してもらってるわ。」
「そうか……。でも、もし病院にいるとしたら何で、嘘なんかつくんだよ。」
「ふふふ。それは、陽くんのことが大好きだからよ。誰だって大好きな人を悲しませたくはないもの。」
「……っ!!」
俺は、堪えきれず涙が流れた。
「……陽くんもその子のことが大好きなんだね。」
ガラガラガラ
「お母さん、お花ここに置いておくわね。」
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる!」



