「陽くん、大きくなったわねぇ。……でも、何か悩んでるのかしら。」
「え……?何で。」
「お婆ちゃんは、何でもわかるのよ。……話してみなさい。」
「……俺さ、彼女ができたんだ。でも、彼女は、海外に引っ越すから別れようって。でも、それがウソだったんだ。担任の先生に問い詰めたら、アイツは人を癒す場所にいるって言われたんだ。考えても考えても分かんないんだよ。」
「……そうか、陽くんの彼女か。会ってみたいねぇ。」
「俺も、会いたいよ。」
男が泣くのは、みっともないから、必死に堪えた。
「人を癒す場所か……。例えばどんな所と思ったの?」
「猫カフェ。アイツ、猫好きだから。」
「確かに癒されるねぇ。」
「後は、美術館。アイツ、超絵が上手くてさ。絵が好きなんだ。」
「ふふふ。後は?」
「……分からない。」



