ー陽ー
今日は、婆ちゃんのお見舞いの日。
「陽、そろそろ行くわよ。」
「おう。」
車に乗り込むと、少し離れた市の大きな大学病院に着いた。
コンコン
「はい?」
「お母さん、大丈夫?」
「あら?美冬。あら、陽くんも来てくれたの!?」
「うん、久しぶり。婆ちゃん。」
小さい頃は、婆ちゃんの家の近くに住んでいた。
その頃は、毎日のように婆ちゃんに行っていた。俺は、婆ちゃんっ子だったんだ。
婆ちゃんにも夕を見せてやりたかったのに。
「お花、入れてくるわ。」
「うん、お願いね。」
母さんが病室から出ると、



