ー夕ー

自分勝手に陽くんと別れて入院している私。

いつ死ぬんだろう?

もう死ぬ準備は、できてるのに……。

「私なんか生きてていいの?」

コンコン

「はい?」

「ヤッホー!夕!!」

「え?奏ちゃん!?」

「お見舞いに来たよー!!……大丈夫?」

「うん、今日はげんきな方だよ。」

「それもだけど、心は?」

心は、もうズタボロだ……。

「大丈夫。私に全部打ち明けなさい!!」

「っ!!」

ありがとう、 奏ちゃん。

それから胸の内を奏ちゃんに晒した。

すると、少し気が楽になった気がした。

「ごめんね、奏ちゃん。」

「いいよ!だって夕の親友だから。」

もう外は赤く染まってきていた。

「そろそろ帰らないと……。」

もっと奏ちゃんと一緒にいたいけれど、仕方ないと思ったその時ー

コンコン

「はい。」

「あら?奏ちゃん!」

そこにはお母さんがいた。

「おばさん、お久しぶりです。」

「お見舞いに来てくれたの?ありがとね。」

「はい、じゃあ夕またくるね!」

「あら?もう帰るの?奏ちゃんが良ければだけど家に泊まらない?」

「え、いいんですか!?」

「いいわよ!ただしちゃんと親御さんに許可を貰うこと!!」

「分かりました!電話してきますっ!!」

奏ちゃん、病院の中は走っちゃダメだよ。

「相変わらずね、奏ちゃんは。」

「ねぇ、お母さんは幸せ?」

「……もちろんよ。お父さんに出逢って、あなたが生まれた。これほど幸せなことは無いわ。」

もうすぐ私は、お母さんの幸せを壊してしまう。

私がいなくなっても大丈夫なように、お母さんとお父さんを繋がなきゃ。

「お願いがあるの。」

「ん、何?」

「お父さんとディズニーに行ってきて。……私ね、陽くんとディズニーに行くの夢だった。もうその夢は叶わないなら、想像だけでいいから、描きたいんだ。」

「うん、わかった。」

ガラガラガラ

「泊まっていいって!!」

2人とも星が輝きはじめる頃までいてくれた。

やっぱり一人になると怖いけど、私はお母さんや、お父さん。そして、奏ちゃんにたくさんの絵を残したい。

「そのためにも生きよう。」