私は、保健室へ向かった。
「失礼します。」
「あら?どうしたの、七瀬さん。」
「先生、私、脳腫瘍でした。先生のおかげで気づくことができました。有難うございます。」
「そう。」
「私、学校辞めて治療に専念します。」
かっこつけて言ったけど、ホントは本当は。
「辞めなくてもいいじゃない。治療して、戻ってきなさい。」
「……私、1年持つかわからないんです。」
「そ、そんな!!」
「だから、戻って来れないと思います。」
「ごめんなさい、もっと早く気づいてあげられていたら。」
「先生のせいじゃないです。有難うございました。」
そう言って保健室を出た。
涙をグッとこらえて。



