ーーー


ん?


目を開けると、ベッドの上。


「あぁ、そっか。倒れたんだ。」


てことは、保健室か……


起き上がると……


ベッドの横には、陽くんがいた。


「ふふっ、寝顔カワイイ。」


「ん、ん~?……あれ?夕。おはよう……」


「ふふっ、おはよ。」


「え!?夕、起きた!?」


ガシャーン!!(椅子が倒れた音)


「うるさい!!」


保健の先生の声の方が大きいよ。


「す、すいません……」


「起きたのね。よく眠れた?」


「あ、はい。あの、私はどれくらい寝ていましたか?」


「1時間くらいよ。」


1時間!?


じゃあ、もう六時限目終わってる?


ん?ちょっと待って。


「陽くん、何で体操服なの?」


「!!……えーと、それはー……サボりました。」


「もう、ダメじゃん。陽くんのノート見せてもらおうかなって今、思ったのに。」


「あ!!……ごめん。」


ふふっ、怒られた犬みたいだなぁ。


「はぁ、そのラブラブアピールはいいから、早く彼女と自分のカバン取ってきなさい。」



ラ、ラブラブアピールって……///


「はい。取って来まーす!!」


「あ!それと、着替えてくること!!」


「……はい。」


陽くんは、走り去っていったーー


「ところで、七瀬さん。あなた、最近何か変わったことない?」


「えっ……変わったことって?」


「体調、悪くなかったの?倒れるくらいだからね、相当悪かったと思うんだけど。」


「数日ぐらい前から頭痛がしてて、段々酷くなってる気がします。」


その瞬間、先生の顔色が変わった。


「どんな感じの痛み?」


その上、声音も。


「何か、グワンって感じですかね?鈍い感じっていうのか……」


「そ、そう。一応早めに病院行きなさい。」


「はい、わかりました。」


ガラガラッ!!


「持ってきましたぁー!!」


「長谷川君。あなたは静かに入ってこれないの?……まぁ、いいわ。ちゃんと彼女、送って帰りなさい。」


「もちろんですよ!…… 夕、大丈夫?」


「うん!大丈夫だよ。」


「だから、そのラブラブアピールやめて。何?彼氏に捨てられた私に見せつけてんの?さっさと帰んなさい!!」



「「はい。」」



保健の先生って、結構感情的なんだな。



でも、先生が私にとって1番尊敬できる先生だなんて、この時は知らなかったんだ。