「えー……あ、いいこと思いついた!」

そう言うと瑞織ちゃんは、4枚の下絵を黒板に張りはじめた。


「な、なにしてんの!?」


「みんなーちょっと聞いて。夕ちゃ……七瀬さんが体育大会の絵描くんだけど、どれがいいか自分で決められないんだって。だから、みんなで選ばない?」


「「まじで!?」」


一斉にみんなが私を見た。


「う、うん。油絵しようと思ってる。」


「ちょ、見に行こうぜ!!」


「おう!!」


一斉に黒板の前に行っちゃったよ……


「ただいまー……って、何の騒ぎ?」


「ひ、陽くん!!あのね、私、体育大会の油絵しようと思ってるんだけど、下絵が4枚あって、自分で決められないって言ったらみんなで決めようってなって……」


「誰に言ったの?」


「瑞織ちゃん。安田 瑞織ちゃん。友達になったの。」


「良かったじゃん!!……よし、俺も見に行こう!!」


「へ?」


どうしよ……


でも、嬉しいな。
クラスのみんなが私の絵を決めてくれるって。なんかクラスの一員って感じがする。


「あたし、これがいい!!」


「いやいや、こっちだろ!」


「いや、これだって!」


「てか、」


「「決められねぇ!!」」


ブハッ!!


また声が揃った。……いいなぁ、このクラス。私、このクラスで良かった!!


まぁ、深山さんを除いて。