奏 side

私には、大切な親友がいる。すごく可愛くて純粋で優しい子。

……夕に最近彼氏ができた。


照れてる夕を見るのが楽しかった。


夕が幸せそうだと私も幸せだよ。


「ただいまー。」


あれ?どうしてお父さんの靴があるの?


「……おかえり、奏。」


「お父さん?」


嫌な予感がする。


「父さんの会社、倒産しちまった。」


え?……そんなの嘘だ。


「お父さん、何それ?親父ギャグ?つまんないよ。」


「本当なんだ。」


「じゃあ、もうあの学校には通えない?」


宮城高校は、私立の進学校だから、お金がいる。


「そうだな。……この家も売らなきゃな。」


「そっか……」


明日、先生に言わなきゃ。


「これからは、公立の高校に編入してもらうことになる。あと、おばあちゃんの家に住むことになるけどいいか?」


「いいよ。お母さんは?」


さっきからお母さんがいない。


まさか……


「出ていったよ。……どうする?父さんについてくるか?」


「うん。お父さんについて行くよ。」


「ごめんな。」


もう私がいなくても大丈夫だよね?夕。