「今は一応親父が親権を持ってるけど、ほとんど会ってない。一人暮らしだから……」
どうして陽くんの両親は、陽くんを要らない、なんて言えるの?
陽くんは、こんなに素晴らしい人なのに。
「……ごめん。」
私は、何も言えないの?
陽くんを元気にさせたいのに……
夕日が私の涙を照らす……
……夕日?
そうだ。
「……私は離れていったりしないよ。だって、私と陽くんで''夕陽''なんだもん。」
「夕陽……?」
「うん。2人で一つの夕陽。……だから、大丈夫。私は陽くんの傍にいるよ。」
「うん……ありがとう!」
グイッ!!
陽くん……
「少しの間こうさせて?」
私はそっと陽くんの背中に腕を回した。
陽くんの背中が微かに震えていた。
あの時ずっと一緒にいる、て言ったのに……
ごめんね、約束破っちゃって。