ーーー3年後

夕の絵は、あれから小さな画廊で展示したりして、着実に世間に認められていった。

「あの、うちの百貨店で七瀬さんの個展を開きませんか?」

「え?いいんですか!?」

駅前の巨大百貨店。

そこの11階~12階は、美術館になっている。

「もちろん、是非!!」

「お願いしますっ!!」


夕の絵は、こんなところまで来たんだ。

「……みんなに知らせねぇと。」

俺は、1ーFのクラスLINEを開いた。

卒業して3年も経ったけど誰1人抜けていないクラスLINE。

遠方の大学を選んだ奴らだっている。

それでも俺達は未だに繋がっていた。

『今度、駅前の百貨店の美術館で夕の個展を開こうって!!みんなが持ってる夕の絵、貸してくれねぇか?』




1時間半程で全員から『OK』の返事が帰ってきた。