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「あ、陽くん!!」

「あ、あの、夕は……?ハァハァ」

「……まだ処置中よ。」

「そうですか……。」


まだ、夕は生きている。俺は、間に合ったんだ。

そう思うと、少しホッとしていた。


バタバタバタ!!

「おい!陽!!」

「……お前ら。」

俺の視線の先には、1-Fのメンバーが全員いた。……夕以外の。

「……っく!!ま、まだ処置中だって。」

みんなの顔を見た途端、涙が溢れた。

「陽くん……。大丈夫だよ。夕ちゃんはまた、奇跡を起こすよ!!」

「……あぁ、信じよう。」




たぶん安田の思う奇跡と俺の奇跡は、違うだろう。

俺はただ、最後に夕に俺の名前を呼んでほしいだけだから。