「何か、あったんですか?」



「いいえ、そうじゃないんです。病状は相変わらずで。


木曜の訪問の件で、お話したかったんです。病院のほうに来ていただけませんか?


面会時間は午後一時からになるので、朝からお昼まで来ていただいている普段とは違う時間帯になってしまうんですけど」



 ぼくは頭の中でスケジュールを整理した。


木曜は夜勤が入っている。


でも、午後は自由が利く。



「木曜の午後一時におうかがいします」



「ありがとうございます。病院の場所はご存じですよね?


一度、主人が風邪をこじらせたときに、一緒に行っていただいた病院で」



「はい、わかります。でも、ぼくがおうかがいして、何かお役に立てますか?」